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「わざわざ三津を不安にさせる嘘

  • By janessa
  • On 02/03/2024
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「わざわざ三津を不安にさせる嘘なんかつくか。」 「ごめん……。」 三津を真剣に想っている気持ちを茶化した事は謝った。 相手が桂だろうと渡したくはないと言う本気が伝わってきた。 「で,揉めてた原因は?」 その問いに二人の目は大きく見開かれた。 「それは三津が乃美さんからっ!」 気持ちいいぐらいに二人の声が重なった。 そこで吉田は思い出した。懐に忍ばせている三津へのお土産の存在を。 「忘れてた。俺も三津に渡す物があった。」 桂との言い争いもそっちのけで吉田は三津の元へと急いだ。 「……乃美さんが何したんです?」 吉田に三津との時間を少しでもと思い足止めする事にした。 さて三津はどこの部屋へ案内されたのやら。きっと声が聞こえてくるはずと廊下を歩いていたら台所の方へ向かう入江を見つけた。 【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! - 「九一三津知らない?」 「やっぱり三津さんまだ居るの?帰ったと思ったのに声がしたから。」 「ちょっと事情が変わってね。アヤメさんと台所かな。」 入江を追い越し台所を覗くと膳の準備を手伝う後ろ姿を見つけた。 サヤとアヤメに挟まれて楽しそうにお喋りをしている。 こうして見ると普通の女子なんだなぁとしみじみ思う。 「三津。」 声をかけると笑顔で嬉しそうに寄って来る。それに自然と笑みが溢れる。 「これ。みんなで食べるといい。」 吉田はそう言って三津に手土産を渡したが, 「吉田さん,それはあきません。だってそれ三津さんの為に買いはったんでしょ?それなら三津さんが食べなあきません。」 まさかアヤメにそんな事言われるなんて思ってもみなかった吉田は驚いて口が開いたままになった。ちょっとした沈黙の後,吉田は声を上げて笑った。 「アヤメさんにそんな事言われるとは思わなかった。俺の気持ちを汲んでくれるんだねありがとう。って訳だから食べてよね。」 三津は困ったように笑って頷いた。 「こんなん聞いたら桂様やきもち妬きはるなぁ。」 サヤが悪戯っぽく笑い,さっきの光景を思い出したアヤメは嫌でもにやけた。 「あんな桂様初めて見ました。桂様はもっとやきもち妬いたらいいんです。 あの子供じみた感じの桂様が可愛いんで私がもっと見たいだけなんですけど。」 「くっ……はっはははは!!!子供じみてるか……。確かに三津の事となれば必死だからね。それが可愛いのか,そうか。 じゃあアヤメさんの期待に応えて妬かせてみせようか。ねぇ三津。」 吉田は三津の頬に手のひらで触れ,さっき桂が道端でしていた様に親指の腹で下唇をなぞると猫を撫でるかの様に顎の下を擦った。 「むっ!無理無理無理無理!後が怖い後が怖い後が怖いぃぃぃ!!!」 三津は体を震わせ激しく首を横に振った。全然目の笑ってない笑顔で迫ってくる桂が目に浮かんだ。 「何?桂さんのお仕置きそんなに激しいの?俺は優しくしてあげるよ?」 「違うっ!そう言う問題でも無いっ!優しい方が好きだけど違う!そうじゃないっ!」 顔を真っ赤にして狼狽えていると外から豪快な笑い声がした。 「あっははははっ!駄目もう無理っ……!くっくくく……。」 外を覗けば膝から崩れ落ちて四つん這いで笑っている入江と,その横で突っ立って苦笑する桂の姿があった。 「か……桂さん……三津っ三津さんは優しい方が好きらしいので……次は手か……手加減してあげ……くっ……くはははははっ!」 入江は腹を抱えながら何とか壁伝いに立ちたがった。 「君達ねぇ……。一体誰をおちょくってるんだろうね?稔麿,九一後で私の部屋に来なさい。勿論三津もだよ。」 三津はまた説教だと戦々恐々だったがこの男の発想は違った。 「桂さんから夕餉のお誘いとは思ってもみなかった。喜んでご一緒させていただきますよ。サヤさんアヤメさん私と九一の分は桂さんの部屋にお願いするよ。」 とんでもなく自分の都合の良いように捉えてにんまりと笑ってみせた。

 

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